水仙の香り
サイト担当の小林です。
本格的に寒くなってきましたね。
この季節に香る花の代表格と言えば、水仙 ではないでしょうか?
冬休みに里帰りした時も台所に活けてあり、強烈な芳香を放っていました。
水仙は地中海に面したヨーロッパ南部地方が原産で、日本には中国を経由して室町時代にもたらされたようです。原種は約40種類が知られていますが、今では世界中に一万数千種類もあると言われています。この中で、香料として重要なのはクチベニスイセン、フサザキスイセン、キズイセンなど。庭先によく自生しているニホンスイセンは、フサザキスイセンに含まれます。香りが強い品種だったんですね。
精油は花を有機溶剤法で抽出します。クチベニスイセンとフサザキスイセンは、ナルシサス(ナルシストの語源ともなっています。)と言われ、採花の際に葉や茎の部分も入るため、香気は強いバイオレットの葉様のグリンノートとなります。この強いグリーンノートは香りに個性を出すために重要で、白い花の香りを集めたホワイト・フローラルのポイントに使われます。香気成分としては、シンナミックアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、オイゲノール、などが報告されています。
ナルシサスの香気成分には、抗酸化効果とメラニン生成抑制効果を持つものがあり、またナルシサスの香り全体にストレス軽減効果があることが最近の研究で発見されています。
キズイセンの香りはナルシサスよりも繊細で華やかであり、水仙の中で最も強い香りです。フランスでは春の到来を告げる花として愛されています。主にフランスのグラースで栽培されていましたが、近年栽培量が減って来たため、今はモロッコ産のものが期待されています。香気成分としてはメチルベンゾエート、ベンジルベンゾエートやメチルシンナメートをはじめとするシンナミックアシッドのエステル、リナロール、メチルアンスラニレート、インドールなどが報告されています。
香水の原料にもよく使われる水仙の香り。
お部屋に一輪飾るだけで、素敵な香り空間が広がると思いますよ。