ペットと暮らす空間を快適にするには?臭気判定士がおすすめする、ペットに優しい臭い対策
小さな家族であるペット。かわいい仕草に癒されることの多いペットとの生活ですが、「臭い」問題があることもまた事実。
ずっと家の中にいると分からないですが、外から帰った時に「アレ?ちょっと臭うかも」と臭いに気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、自分では気づかなくても来客時にお客様から指摘されてハッとなった、というお声をいただいたこともあります。
そこで今回はペットがいるお宅での臭いの原因からその臭い対策までご紹介します!
室内に漂う「ペットの臭い」。その原因はどこに?
部屋中に漂っている「ペットの臭い」。ずっと一緒に暮らしていると何が原因なのか。どのあたりに臭いが付着しているのか、見分けが付きにくくなるものです。
まずはペットの臭いの原因と考えられる3つの要因を中心に挙げてみましょう。
1.体臭
ペットの臭いとしてまず挙げられるのが「体臭」です。排泄物のように時々発生する臭いと違い、常に臭いが出ているうえ飼い主は慣れてしまうことが多いため意外と気づきにくい臭いになってしまうこともあります。
ペットの体臭は「アポクリン腺」から出る「汗」によるもの。汗自体は無臭ですが、皮膚の汚れや常在菌と混ざり分解されることで臭いが発生してしまいます。
このアポクリン腺、人間にもありますがワキなど限られた場所のみです。これに対して犬や猫は全身にあるため臭いが強くなりがち。ですが、動物にとってはこの臭いは個体の識別やフェロモンの役目を果たす大切なものです。
ただ猫は自分自身でグルーミング(毛づくろい)をするため、臭いが少なくなると言われています。
2.口臭
かわいいペットの顔に自分の顔を近づけたら「口が臭い・・・」と顔を背けたくなった、なんてことありませんか。
ペットの口臭は、口の中に残った食べ物のカスなどから菌が繁殖してしまい口臭や歯周病に繋がることが挙げられます。食事の内容や体調を崩すことで口臭が強くなることもあるので要注意。
口臭がきつくなることでよだれの臭いも強くなり、よだれや唾液がついた家具やカーペットからも臭いが発生してしまいます。
3.排泄物臭
ペットの臭いの中でも問題になるのがこの「排泄物臭」。人間と違い出した便や尿をすぐに流すわけではなく、しばらく室内に放置されてしまうことも多くなります。
特に猫の尿は臭いが強くなります。便や尿が肛門周辺や体毛に付着してしまい、そのまま室内を徘徊することで臭いが部屋中に広まることも考えられます。
また、犬や猫の肛門の両側には「肛門腺」という分泌物を出すものがあります。よく犬や猫がお互いのお尻の臭いを嗅ぎますが、この臭いを嗅いで挨拶をするためです。
通常は便とともに分泌物も排出されますが、溜まってしまうと悪臭を放ちます。体調でも臭いが変化するそうです。
4.蓄積された臭い
気づきにくいけれど、実はペットの臭いの大きな要因になっているのがこの「蓄積された臭い」。長年ペットを飼っていると使用するトイレも布団もソファも同じだけ長く使用することが多いはず。
家具などに少しずつ、着実にしみついていったペットの臭いが日々蓄積されて、気が付けば強い臭いを放っている、ということも少なくありません。
そしてこういう臭いこそ、飼い主が気づきにくい臭いなので対策があまりされていないケースが多いようです。
ペットの臭い対策の前に!アロマの臭い対策でペットは安全?ペットと香りの関係性
ペットの臭い対策のために手軽に使える芳香剤で臭いの質を変えてしまおう、あるいは天然のアロマならばきっと安全、と思いがちですがちょっと待ってください。
人間にとって心地よい香りでも、動物達も同じように感じるわけではありません。ペットは人間よりもはるかに優れた嗅覚をもっています、特に犬の嗅覚は非常に鋭敏で人間よりも100万倍以上の嗅覚と言われています。つまり人間よりもはるかに臭いを強く感じている可能性があります。
特に気を付けなければいけないのが猫とフェレットです。特定の香り成分を代謝する機能がなく中毒症状を起こした事例もあるそうです。柑橘系の香りやオレガノ、バジルなどの香りは特に注意が必要です。「天然の香りだから安全」ということはありません。
また動物にも香りの好みがあると言われているので、ペットの好きな香りを知ることも大切です。
ペットに優しい、効果的な臭い対策とは?
原因や注意点を踏まえたうえで、効果的なペットの臭い対策とはどのようなものが挙げられるでしょうか。
ペットの臭いの原因別に効果的な対策をご紹介します。
1.ペットの体臭に対する臭い対策
体臭のにおい対策はなんといっても「清潔に保つこと」。定期的なシャンプーをして体を清潔に保ちましょう。とはいえ洗いすぎはNG。あくまでもペットに合った間隔で定期的に。
そしてブラッシングも大切です。抜け毛やホコリを除去することで臭いの元を取り去ることができますし、なによりペットにとって心地よい時間となり飼い主との大切なコミュニケーションタイム、リラックスタイムになることで体調改善にも繋がることが期待できます。
2.ペットの口臭に対する臭い対策
ペットもお口のケアが重要です。まずは歯磨きから。可能であれば毎日が望ましいようですが、まずは週2回~から。小さいうちから習慣化すると嫌がらずに行えることも多いそうです。
どうしても嫌がる場合はデンタルケアグッツなども使用してもよいのではないでしょうか。食べ物の見直しも口臭ケアにおいては重要。あまりにも口臭が気になる場合はペットフードを再検討することもいいかもしれないです。
勿論健康管理も大切です。日々の様子を見て、気になる点があれば医師に相談してみましょう。
3.ペットの排泄物臭に対する臭い対策
まずは排泄物の放置時間を少なくするよう、こまめにトイレ掃除をし、臭気を抑えるトイレ砂やトイレシートを選ばれるとよいでしょう。
片づけた排泄物はしっかり密封してから廃棄することで、臭いの漏れを防ぐことができます。
排泄後は、肛門周辺や体毛に排泄物が付着していないかチェックするよう習慣づけられるとよいのではないでしょうか。
4.ペットの蓄積された臭いに対する臭い対策
部屋に蓄積された臭いについてはまずはしっかり換気をすること。空気がこもっていては臭いが溜まってしまう一方です。
カーテンやクッションカバー、布団類など、洗濯が可能な布製品はできるだけ定期的に洗濯をして、臭いが蓄積されることを防ぎましょう。
そして何よりこまめに掃除されることが大切です。
それでもペットの臭いが気になる場合は?
こまめにペットの臭い対策をしても、完全に臭いを消すことはなかなか難しいところです。そんな時は消臭剤や空気清浄機に頼ることも大切です。
消臭剤は安全性が確認されたペット用のものか、ペットがいる空間でも使えることが明記されている物を選びましょう。消臭剤自体に香りがついている場合は、広範囲で使用する前にペットに嗅がせて反応を確認することも大切です。
大切な家族であるペット。こまめな体調管理と臭いケアをすることでペットも飼い主も来客も、きっとみんなが心地よい空間になると思います。
(更新日:2023年6月 2日)