においを感じる仕組み
鼻からにおい物質が入ると、におい物質は鼻腔最上部の嗅上皮と呼ばれる特別な粘膜に溶け込み感知されます。すると、嗅上皮にある嗅細胞が電気信号を発生、電気信号が嗅神経、嗅球、脳(大脳辺縁系)へと伝達し、におい感覚が起きるといわれています。
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嗅上皮の粘膜層に広がっている嗅毛には、においをキャッチする嗅覚受容体(においセンサー)があります。一つのにおい分子に対していくつかの嗅覚受容体が、鍵と鍵穴が合うように反応しにおいを検知します。また、においの濃度が変わると反応する嗅覚受容体の組み合わせが変わり、違うにおいとして感じられます。
ヒトは約400種類の嗅覚受容体を持つといわれています。その組み合わせは無限にあり、そのため数十万種類あるといわれるにおい物質を嗅ぎ分けることができるのです。
嗅覚の特徴
順応(疲労性)
同じにおいをしばらく嗅いでいると、そのにおいを感じなくなってしまう性質。いわゆる鼻が慣れてくる状態。そのにおいから離れると、また嗅ぎわけることができます。
お店やよそのお家などに入った瞬間は特有のにおいを感じたのに、そのうち何も感じなくなった。そんな時は鼻が順応しています。
好き嫌い
においの好みは人によって差が大きく、10人中10人とも好きな「におい」というものは無いに等しいと言われています。
バラの香りを嫌いと感じる人もいれば、靴下のにおいが好きという人もいます。従って、どんなにいい香りでも出し過ぎてしまっては逆効果の場合もあり注意が必要です。
ウェーバー・フェヒナーの法則
においの強さの感じ方はにおい濃度の対数に比例するという法則。(嗅覚だけでなく他の感覚も当てはまるようです。)
I=KlogC (I:においの感覚量 K:定数 C:におい物質の量)
つまり、嗅覚はにおい物質の濃度に比例して強くなった弱くなったと感じるのではなく、におい物質が97%除去できて初めて半分になったと感じるのです。
感性にひびく
嗅覚は他の感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚)と違って直接本能に作用します。
これは、においの情報が大脳辺縁系の扁桃体や海馬といった、本能行動や感情・記憶を司る部分に直接伝わるためです。
他の感覚は、視床・大脳新皮質などを経てから大脳辺縁系に情報が伝わります。つまり理性が先に働いています。
一度イヤなにおいと感じると、そのにおいを理屈を抜きに嫌いになってしまったり、あるにおいで昔の出来事を思い出したり、においが感性にひびくのはそのためです。
嗅覚の特徴を活かした消臭剤
排気や室内のにおい対策をする上で、嗅覚の特徴は無視できません。
『消臭効果があるって言うけど。。。よく分からないな。』
『まだニオイが残っているじゃないか』
市販の脱臭剤を使ってこんな感想を持ったことはありませんか?
そこで、当社ではフィトンチッド消臭をおすすめしています。悪臭を化学的に消臭するだけでなく、植物の香りでにおいの質をさわやかに改善できる消臭法です。
市販品と比べて『消えた!』と実感しやすいのが特徴です。
- 一番鼻が良いのはゾウ
- アフリカゾウは約2000個もの嗅覚受容体遺伝子を持ち、これまでに報告された動物の中で1番鼻が利くそうです。この数はイヌの2倍以上、ヒトの約5倍。長いだけじゃなく匂いにも強い鼻なんですね。
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