飲食店の油の臭いをスッキリ消す方法と苦情対応のポイント
唐揚げ、天ぷら、とんかつ・・・揚げ物は美味しいですよね。
おうちで食べても美味しいですが、プロが作るお店の揚げ物はまた格別です。
揚げ物をしているときの油の臭いはなんとも食欲をそそります。
しかし、おいしそうな匂いも毎日嗅がされては『くさい』と感じるようになるかもしれません。そして、人は一度不快と決めつけたにおいには敏感になり、臭いが弱まっても許せなくなってしまう傾向があります。
今回は、そんな飲食店から発生する油の臭いをスッキリと消す方法についてご紹介します。
飲食店で気になる臭い
飲食店から発生する臭いの代表的なものに生ごみの腐敗臭、厨房の排水やグリストラップからの下水臭などが上げられますが、実は調理した時の一見『おいしそうなにおい』が一番苦情になっているのをご存知ですか?
特に唐揚げ、焼肉、焼き鳥、イタリアンなど油を使った料理の調理臭は、煙と一緒に店外へ排出されるので、苦情の原因になりやすいと言われます。
飲食店から出るニオイも悪臭防止法の規制対象です
「におい」を取り締まる法律に『悪臭防止法』があります。悪臭防止法では、良いにおいも悪いにおいも生活環境を損なっていると認められる「におい」全てが対象となるため、油の臭いを含む調理臭も例外ではありません。
悪臭防止法では「工場その他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭」が、規制の対象となります。飲食店は「その他の事業場」に該当するので、店舗から発生するにおいにより、近隣の人々の生活環境が損なわれないよう対処する必要があります。
「悪臭」とは化学工場や畜産業といった特集な業種から出るにおいだろう、飲食店は関係ない、と安心していると大変なことになるかもしれません。
規制地域、規制基準については自治体ごとに異なります。市区町村のホームページなどで確認できます。
飲食店の油の臭いで苦情を言われたら
普段あまり気にすることのない「におい」ですが、もしも苦情を言われたら、あらためて次の点に注意してください。
においや嗅覚の特徴を知っておくと近隣対策に役立つと思います。
においの感じ方は人それぞれ違う
飲食店の方がよくおっしゃるのは、「おいしそうな料理のにおいなのに苦情を言われて困っています。」「臭いと言われたけれど、自分ではそう思いません。」というものです。
しかし、においの感じ方は人それぞれ。通常は快いにおいであっても、強かったり長時間だったり、繰り返し毎日だったりすると、悪臭に転じることもあるのです。
また、毎日調理をしているお店の人は、油の臭いなどの調理臭に気づきにくくなっています。鼻が慣れてしまっているからです。(これを順応と呼びます。)
近隣とのギャップが生まれやすいのは、そういった嗅覚の感度にも原因が考えられます。
臭い対策は初動が大切!感情と直結しているにおい
実は、五感の中で嗅覚だけが感情に直結しています。においが好きか嫌いか、理論的に考える前に判断するようになっているのです。
分かりやすい例で言うと、焦げ臭を感じたら火事を疑いすぐ逃げたくなりますよね。嗅覚は危険を回避するためにも大切な感覚です。
しかし、理屈抜きでにおいを判断していますから、料理の臭いも一度嫌だと感じた場合はどんなに臭いが薄くなっても嫌、そして、そのにおいを出しているお店も嫌だと感じるようになるのです。
このように感情と結びついている臭い、実は店側の態度が問題の解決を左右すると言ってもよいでしょう。
もし苦情を訴えられすぐに対策を打てなくても、まずは相手の話を真剣に受け止め、できるところから改善していく。そして、その様子を近隣にちゃんと説明しているお店ほど、臭い問題がこじれることなく解決しています。
飲食店の厨房排気の臭い対策
1.調理工程や時間帯の変更
すぐに対処できる方法として、調理工程や時間帯を見直すことが上げられます。強いにおいが発生する材料や作業を見直し、強いにおいが出る調理は、時間帯をずらしたり、別の場所で作業できないか考えてみましょう。
2.排気ダクトで排気口の位置を変える
換気扇だけでダイレクトに排気しているお店も見受けられますが、できれば隣家に油の臭いがいかないようダクトを設けて排気口の位置を変えるとよいでしょう。
ただし、無理に屋根の上まで排出口を持っていくことにより、反対のビルの上層階から別の苦情を生んでしまう場合もあるので、周辺状況をよく確認する必要があります。
また、この方法では発生する油の臭いをいかに的確に集めるかが大切です。臭気を集めるフードの位置、構造、ファンの能力が重要になります。
3.排気の油煙(オイルミスト)除去
油の臭いが出る調理の場合は、煙も多く発生します。グリスフィルターはもちろんのこと電気集塵機などでオイルミストをしっかり除去しましょう。
煙を抑えることで見た目からくる不快感を抑えることができ、その後に設置する脱臭装置の消臭効果もアップします。
脱臭装置の導入
上記の対策を行ってもまだ臭う、問題が解決しない場合は脱臭装置の出番です。
飲食店の油の臭いを消すには、吸着法、洗浄法、消・脱臭剤法などがありますが、立地、臭いの質、予算に合わせて脱臭装置を選ぶとよいでしょう。
低予算高パフォーマンスなら中和消臭がおすすめ!
立地上、大型の脱臭装置の設置が難しい、すでに営業している店舗だから大がかりな工事ができないなど、店舗ごとに様々な事情があると思います。
そんな場合は 中和消臭器 がおすすめです!
消臭器が小型のため、天井内のダクトに取り付けたり、狭いキッチン内にも設置が可能です。
確かな消臭力に加え変調効果もあるこの脱臭法なら、油っぽい調理臭をすっきりとした印象に改善することができます。
飲食店の油の臭い対策事例
スーパーマーケット
唐揚げやとんかつ、天ぷらなどスーパーの惣菜調理場で発生する油のにおいを消臭しました。狭いキッチンにも導入できるデオドールの中和消臭器なら後付け設置も簡単です。
焼肉店
焼肉店の脱臭事例です。テスト器を使って消臭効果が確認できたことと、排気ダクトが入り組んだ設備スペースにも設置できるサイズが導入の決め手となりました。
唐揚げ店
唐揚げ店やレストランから発生する油のにおいは、業種の違う別のお店に届くと苦情になりやすいです。こちらのブログではそんな問題を解決した2つの事例を紹介しています。
さいごに
飲食店からのご相談は、当社に寄せられるにおいのご相談の中でも一番多くを占めています。今回は苦情が起きてしまった場合を想定していますが、お店をオープンする前から臭い問題を予測し、計画的に脱臭装置を導入しておくのもよいでしょう。
近隣住宅やビルと良好な関係を保って、長いお付き合いのできるお店作りを目指してみてはいかがでしょうか。
(更新日:2024年4月 9日)