廃電線リサイクル処理におけるゴム臭対策
今日は廃電線リサイクルに伴う臭いの脱臭事例をご紹介します。こちらの産業廃棄物処理場では、電線の被膜を燃焼処分しています。燃焼に伴い発生する強烈なゴムの刺激臭を改善したいとのご要望があり、まずは小型の脱臭装置でデモテストを行いました。
【デモテスト用の小型脱臭装置イメージ】
現場に立ち会った担当者によると、被膜の燃焼臭は『すぐに涙が出るほど刺激的』だったそうです。テスト用の燃焼器にポータブルタイプの吸着式脱臭器を繋ぎ、特殊活性炭を通過させてから排気したところ、刺激臭はかなり緩和され脱臭効果が確認できました。
多分のミストを含む場合は必ず前処理が必要となります。
【被膜の燃焼臭 脱臭テストイメージ】
このお客様は排気設備を一新する計画があり、活性炭を収納する機器も先方でご用意いただけることから、脱臭剤(特殊活性炭デオケムC)のみの販売となりました。
ちなみに廃電線ですが、電力用及び通信用電線については、電線メーカー系の回収ルートが確立しており、ほぼ 100%が回収され中身の導体はほぼ100%リサイクルされているそうです。一方、外側の被膜(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ゴムなどからなる)については、プラスチック素材は一部がリサイクルされますが、それ以外は焼却又は埋め立て処分が多いようです。(参照:被覆電線のリサイクルの現状について 経済産業省ホームページより)
電線の多い国、日本。見慣れてしまって普段は疑問にも思いませんが、よく観察すると上空のいたるところに張り巡らされ、こんなに電線のあるところで生活しているのが不思議な気もします。
海外ではドローンによる空輸配達も始まっているようですが、日本では電線に邪魔されて市街地での普及は難しいのではないか、なんてことを思ったり・・・(ドローンが上空を飛び回るよりいいか。)
いずれにせよ、廃電線のリサイクルは今後も重要となるでしょう。せっかくのリサイクルが臭気問題で滞らないよう、においでお困りの時はデオドールにご相談くださいませ。
(小林)
(更新日:2021年9月19日)