レーザーカッター使用時の臭い問題とその対策
レーザーカッターのイメージ
レーザーカッターは、さまざまな素材を高精度で切断・彫刻・加工するための強力なツールです。工業からDIYまで幅広く活用される一方で、使用時に発生する臭いはしばしば問題となります。
この記事では、レーザーカッター使用時に発生する臭いの問題と、その対策について基本的な情報を提供します。
レーザーカッター・レーザー加工機とは
レーザーカッター・レーザー加工機はレーザー光を照射し、材料を溶解・蒸発させながらカットする機械です。
アクリルやプラスチックなどの樹脂製品や木材、紙の切り抜き、布、革の裁断に活用されています。カットした断面がなめらかで削りカスが出ない、複雑で自由な形状にカットできるといった特徴があります。
レーザーカッターから発生する臭いの問題
レーザーカッターを使用すると、レーザーの高熱により素材が焦げたり、加熱による化学反応により煙や臭いが発生します。この臭いは、特に密閉された空間では非常に強く感じられます。
PVC(ポリ塩化ビニル)やポリカーボネートなどからは有毒な塩素ガスが発生する危険性があり、レーザー加工してはいけない素材です。塩素ガスは人体に有害であるばかりか機器本体を劣化させる恐れもあるので、事前に素材の確認やテストが必要です。
レーザーカッターの臭い対策
臭いの問題を軽減し、安全で快適な作業環境を保つためには、以下の対策が効果的です。
1.換気システムの改善
作業場の換気を適切に行うことが最も基本的な対策です。強力な換気扇や排気システムを導入して、加工中に発生する煙や臭いを迅速に外部へ排出することが重要です。作業場が密閉されている場合は、窓を開けて自然換気を促すことも効果的です。
2.集塵機や空気清浄機の使用
作業場内にHEPAフィルターや活性炭フィルター付きの集塵機や空気清浄機を設置することで、粉塵や臭気を除去できます。これにより、室内の空気を清潔に保ち、臭いの再循環を防ぐことができます。
3.素材の選択と準備
加工する素材によって発生する臭いが異なるため、できるだけ臭いの少ない素材を選ぶことが効果的です。また、素材の表面を事前に清掃し、余分な塗料や接着剤を取り除くことで、臭いの発生を抑えることができます。
4.レーザーカッターのメンテナンス
定期的なメンテナンスを行うことで、臭いの発生源となる汚れや残留物を取り除くことができます。レーザーカッターの部品を清潔に保ち、フィルターを交換することが、臭いの問題を軽減するのに役立ちます。
集塵機や空気清浄機で解決しない時は
集塵機や空気清浄機を設置しても臭いが取り切れない場合や、スペースがなくてそれらの装置を設置できない場合があります。そんな時は、中和消臭器の導入をおすすめします。
中和消臭器は、臭いと植物精油消臭剤を反応させて臭気を低減させる脱臭装置です。植物の香りによって、嫌な臭いを良い匂いに変える変調効果もあるため、近隣への苦情対策に効果的です。
中でもDMDシリーズは集塵機の上に置くこともできるコンパクトサイズ。排気設備としてよく使われているジャバラダクトにノズルを差し込むだけで消臭剤を挿入できます。設置スペースが限られた加工場でも導入できる業務用の脱臭装置です。
集塵機の上に設置した中和消臭器
ジャバラダクトと配管ホースを接続
実際に導入した事例
プラスチック加工会社
集塵機を導入していましたが、臭いが取り切れていませんでした。そこで中和消臭器を追加。本体は集塵機手前の空きスペースに置き、配管ホースで消臭剤を排気ダクトへ挿入しています。
集塵機の手前に設置した中和消臭器
消臭剤を排気ダクトへ挿入
アクリル加工会社
主にアクリル加工を行う会社。排気設備は整っていましたが、近隣からの苦情を受けて臭い対策が必要に。中和消臭器は入り組んだジャバラダクトの隙間にも設置できました。
室内に設置されたレーザー加工機
入り組んでいるダクト
設置した中和消臭器
隙間に設置できるコンパクトサイズ
まとめ
レーザーカッターの使用に伴う臭いの問題は、適切な対策を講じることで効果的に管理することができます。換気システムの改善、集塵機や空気清浄機などの導入が最初のステップになります。
さらに、これらの対策で十分な効果が得られない場合、中和消臭器の導入が有効です。特にスペースの限られた場所でも設置可能なDMDシリーズは、多くの企業で利用が進んでいます。
ご相談・ご質問があればお気軽にお問い合わせください。
(更新日:2024年10月 9日)